
2026年5月号で示した例では、資格・等級1のモデル基本給の運用範囲は次のとおりです。

基本給の上限金額設定とは、資格・等級2に昇格できない人について、どこまで基本給の昇給を認めるのかを決める、ということです。
もしこのルールを決めておかなければ、資格・等級2に昇格できない人の基本給は266,000円で昇給が止まってしまいます。
このことは特に上位の資格・等級になるほど意味を持つことになります。
上位の資格・等級になるほど昇格できる人は少なくなっていくからです。
そこで今回はこの基本給の上限金額設定の考え方について取り上げることとします。
資格・等級は基本給の序列を決めるもの です。
従って、基本給の上限金額設定について原則となる考え方は次のとおりです。

しかし、この原則を貫くと、
| ・ | 基本給の水準が全体的に高くなりすぎる か |
| ・ | これを避けようとすればそれぞれの資格・等級の基本給の上限金額を低く設定する → すぐに昇給が止まってしまう か |
のどちらかの事態を招くこととなります。
「自社においてはどちらの事態が生じても問題とはならない」 という場合には、この原則に則ってそれぞれの資格・等級の基本給の上限金額を設定するべきでしょう。
一方、「自社においてはやはり問題が生じる」 と考えられる場合には、次のとおり上記の原則を修正して基本給の上限金額設定を行うべきであると考えます。

1つ上の資格・等級とは基本給の重複を一部認めるが、2つ上の資格・等級との重複は認めない、という考え方です。
自社における基本給序列の考え方を維持しつつ、実行可能性を採り入れたものということができます。
この考え方に従えば、
| ・ | 資格・等級1の基本給は266,000円を超えても |
| ・ | 最大資格・等級3の基本給の下限に到達する前までは |
昇給させることが可能となります。