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第117回 2020年2月号

〜人事制度の構築には現場の実務把握が不可欠〜

はじめに

前月号でも触れましたが、目指す会社を実現するためには社員が働くうえでの指針を人事評価の基準として示すことが必要であると考えられます。これが人事制度が有効に機能するための大前提です。
これは人事制度の構築者が現場の実務をよく把握していなければできません。コンサルタントなど外部の者が人事制度の構築者となる場合には、現場で働く社員との面談調査が不可欠となります。これは従来の職能要件書と呼ばれる「〜の書類が作成できる」とか、「〜の操作ができる」というような資料作りを目的として行うものではありません。
目指す会社を実現するために社員に期待する行動の具体例をできるだけ多く引き出すために行うものです。

面談調査の実施方法

最初に経営者や部門長クラスに対する聞き取りを行います。
どのような会社を目指しているのか、それを実現するためにそれぞれの部門や役職者に期待する機能や行動など、大枠をここで定義することを目指します。
当初方針どおりでは実現可能性に難があったり、混乱を招くような場合もあります。それらの交通整理や優先順位づけ、第一段階での目標水準をどこに置くかなどについてもここで決定します。

上記をふまえたうえで、現場で働く社員との面談調査を行います。

実務全般や仕事の流れなどは基本情報として把握しますが、勝負は

目指す会社、部門を実現するための具体的な行動例をどれだけ引き出せるか

という点です。

従って、面談調査の対象者を選ぶ段階で十分なすり合わせを行うことが大切となります。

人事制度の基本設計の最重要点

面談調査を通じて収集することができた行動の具体例に基づいて、社員が働くうえでの指針=人事評価の基準の案を作成します。
これが人事制度の基本設計の最重要点となります。この部分がズレてしまっていては給与のルールなどがいくら整えられていても目指す会社の実現にはつながらないからです。

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