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第38回  2013年7月号

〜人事考課の基準を定期的に見直す〜

はじめに

前月号でも解説しましたが、人事考課を人材育成にも活用する場合には、次の関係が成り立っている必要があります。

人事考課には通常莫大な労力が投入されています。近時のように昇給や賞与の原資そのものが小さく、考課結果による差がそもそもつけられないような場合に給料への反映だけを目的にした人事考課であればそれは大きなムダということになります。人事考課を行う以上、それを人材育成に結びつけ、顧客からの支持率である売上(業績)の向上という結果につなげることは今まさに求められている考課の運用方法ということができます。

そこで今回は上記考課の運用を実現するうえで必須の「人事考課の基準の定期的見直し」について考えることとします。

順調にいっている場合は“レベル”を引き上げていく

人事考課の基準というものは「良い結果」を生むための「正しいプロセス」を示したものです。

従って、人事考課の基準は通常

このような場合には、社員が当初意図したように順調に育ち、「良い結果」も後からついてきているはずですから、さらに上を目指すために人事考課の基準のレベルを引き上げていくことが必要となります。現実にこのような運用を行っている会社も多々あります。

順調にいっていない場合は“考課がマンネリ化していないか”がポイント

「順調にいっていない」場合には"考課がマンネリ化していないか"をまず確認する必要があります。社員一人ひとりの考課結果を数年分並べてみたときに、毎年同じような考課、同じようなコメントが書かれている、という場合がまさに"考課がマンネリ化している"状態です。これでは考課を通じた人材育成が期待できるはずもありません。"考課がマンネリ化している"要因としては様々なものが考えられますが、数年間にわたってほぼ固定化してしまっている状況を考課者研修等を通じて改善するのはほぼ不可能といってよいでしょう。このような場合には原点に立ち返って、「良い結果」を生む「正しいプロセス」はどのようなものなのかを深く考察するところから始め、その内容を人事考課の基準として定めるところから再出発した方が近道です。そして大切なのは人事考課の基準を設定して終わり、ではなく、

まとめ

人事考課には通常莫大な労力が投入されています。近時のように昇給や賞与の原資そのものが小さく、考課結果による差がそもそもつけられないような場合に給料への反映だけを目的にした人事考課であればそれは大きなムダということになります。

そして、このような考課の運用が順調にいっていない場合はもちろんのこと、順調にいっている場合でもさらに上を目指すために人事考課の基準の定期的見直しは必須の事項です。

みなさんの会社でも人事考課の基準の見直しに是非取り組んでみることをおすすめします。

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