
「正社員は月給、パート・アルバイトは時給があたりまえ」という認識にみられるように、何となく時給よりも月給の方が格上で待遇もよいというイメージが世間には存在しています。現実に企業の人事担当者からも「パート・アルバイトの賃金制度を月給制にすることで人を採りやすくしたい」とか、「時給制では採用予定者に言いにくいので例外的に月給制にした」といった声が聞かれるくらいです。
そこで今回は月給と時給の違いとその選択基準について解説してみたいと思います。
両者の本質的な違いは次の点のみということができます。

※「所定労働時間」とは就業規則や雇用契約書であらかじめ定められている労働時間のことで、時間外・休日勤務した労働時間は含みません。
両者の本質的な違いは上記のとおりですが、次のとおりいうこともできます。

月給の場合、1月〜12月までの総所定労働時間を全て勤務すれば月給の12ヵ月分が年収となります(賞与を除く。以下同じ)。時給の場合、1月〜12月までの各月ごとの賃金額は前述のとおり所定労働時間に応じて増減はありますが、時給=月給の1時間あたりの時間単価であり、総所定労働時間も月給の場合と同じであれば、

により最終的な年収では同じになるということです。
上記のとおり考えると月給と時給の選択基準は次のとおりいうことができます。
〜月給と時給の選択基準〜
どちらを選択した方が賃金計算が楽になるか(原則)


あるグループについて月給と時給のどちらを選択した方がよいのかについては、1日の所定労働時間と毎月の休日数=毎月の所定労働時間が全員原則同じであるかどうかが原則的な選択基準となります。

1日の所定労働時間は同じでも、休日が少ない期間のみ勤務した人と休日が多い期間のみ勤務した人とで賃金額にきちんと差をつけることが可能となるためです。