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第51回  2014年8月号

〜人事制度の正しい「運用」とは何か?〜

はじめに

「経営方針実現の手段として人事制度を改定したが、効果が見られない」という悩みをよく耳にします。制度の内容に原因がある場合もありますが、圧倒的に多いのは

“正しい「運用」を面倒がってやらない”というものです。

そこで今回は、人事制度の正しい「運用」とは何か?について考えてみたいと思います。

人事制度を改定しただけで“自動化”するわけではない

「経営方針を実現するために社員にはこのような成果や行動を期待する」ということを人事制度を通じて社員に発信しても、それだけで“自動的に社員の行動が変わる”ことはありません。なぜなら、長年の“もの足りない”習慣が社員の“常識”になっている状況下では、そもそも

「何が足りないのかに社員自身が気づかない」からです。

従って、この「気づかない」間は、経営者・管理者による指示が必要です。「この課題を」「誰が責任者となって」「いつまでに」解決するのか、具体的に指示するのです。そして、その課題が解決できたら次の課題を同じように与えていく…というプロセスを繰り返すことによって初めて社員自身が課題に気づき、自発的にその解決に向けて動き出すようになるのです。このプロセスこそ“人事制度の正しい「運用」”であり、また“真のOJT(実務を通じた教育)” “真の社員教育”といえるでしょう。ところがこのプロセスを“面倒がってやらない”という会社が実はかなり多いのです。ルールや規則を決めても、それを守っているかどうかの監査がもし全くなければ、ただ紙に書かれた文字になってしまいます。人事制度も同じで、

「社員にはこのような成果や行動を期待する」ということを紙に書いただけで自動的に社員の行動が変わることはありません。

紙に書いたことをよりどころとして日常教育を行って初めて社員の行動が変わるのです。

まとめ

人事制度の正しい「運用」とは、社員自身が課題に気づき、自発的にその解決に向けて動き出すようになるまで、経営者・管理者による課題の指示→解決→次の課題の指示→解決…の繰り返しのプロセスです。

「社員にはこのような成果や行動を期待する」ということを紙に書いただけで自動的に社員の行動が変わることは
ありません。

あなたの会社では紙に書いたことをよりどころとして日常教育を行っていますか?

一度振り返ってみてください。

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