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第137回 2021年10月号

〜コンサルティング実施の提案書〜

はじめに

コンサルティングの実施にあたっては必ず事前に提案書を提出します。

コンサルティング実施の提案書は費用を提示、知るためだけのものではありません。

今回は人事制度構築・改定の場合を例にとって、コンサルティング実施の提案書について説明してみたいと思います。

提案書の構成

次のとおりであるのが通例です。

コンサルティングのテーマ

何を目的とした人事制度構築・改定を行うのか、テーマの設定を行います。

例) 会社の経営基本戦略・方針を社員に浸透させたい
職務と給与をバランスさせたい
教育のよりどころとなる人事考課制度を構築したい
P(計画) D(実行) C(評価) A(次はどうする) のプロセスを通じて自ら考えて行動する社員づくりを行いたい など

実施内容

上記のテーマ(目的)を実現するために、コンサルティングを通じて何を行うのかを設定します。

この部分が提案書の「本体部分」です。

現時点で想定される人事制度の全体像(仮説
その全体像を導入、運用まで持っていくために構築、整備しなければならない事項(受託する仕事内容の明細
上記に対応した成果物(請負受託の場合)
―人事考課表、賃金表、人事制度の運用マニュアル、就業規則、賃金規程など

スケジュール

実施内容をどのような手順と期間で行うのかを設定します。

方法と所要期間の設定です。

中間成果物、最終成果物の委託側(顧客)での検討期間の設定を含みます。

費用見積

所要期間1ヵ月あたりの費用 × 所要月数
または
受託する仕事内容の明細、成果物ごとに費用を積算する
かのどちらかになります。

重要ポイント

委託側(顧客)にとって費用が重要な要素であることは当然です。

しかし、最も力点を置いて検討しなければならないのは「実施内容」の部分です。

テーマ(目的)を実現できる提案となっているか?専門家に委託したいと考えている部分が網羅されているか?しっかりと検討することが大切です。

この検討を十分に行わずに委託することを「丸投げ」というのです。

丸投げはテーマ(目的)の実現には決してつながりません。

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