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第133回 2021年6月号

〜人事制度改定の骨子〜

人事制度改定の骨子とは

人事制度の改定作業は改定の骨子をまとめることから始まります。

人事制度改定の骨子とは、現行の人事制度を

何のために どのように

変えるのか、を集約したもののことを指します。

この骨子は以降の改定作業を進めていくうえでの判断基準となります。「今進めている改定作業が正しい方向を向いているかどうか」「当初掲げた目的の実現につながるものであるかどうか」は全てこの骨子に基づいて判断します。これによって初めて一貫性のある、社員の理解も得やすい人事制度の改定が可能となります。

なお、以上のことは改定だけでなく、全く新しい考え方に基づく人事制度を新規に構築する場合にも当てはまります。

骨子づくりは漠然とした考えをよく整理することから始まる

人事制度は目指す会社を実現するための手段です。

目指す会社を実現するために社員にはこのように行動してほしい→そのためには現行の人事制度をこのように変える必要がある

というのが出発点でしょう。

しかし、この時点では「このように変えたい」という漠然とした考え、アイデアはあっても、その内容がよく整理されてはいません。

アイデアの中には

理屈としては正しいが、実行することによる弊害のほうが大きいもの −求心力ではなく遠心力が働いてしまうようなもの

会社として実行するかどうか、結論の出ていないもの

なども含まれていることと思います。

また、現行制度のうち良い部分は今後も当然維持していくべきです。何でも変えればよいというものではありません。

このような会社にしたい→そのためにはこのような課題があり→その課題を乗り越える、解決するためにはこのような制度変更が必要→

そしてそれは実行可能であり、弊害よりも得られるメリットのほうが大きい

という

シナリオを描くことこそ、人事制度改定の骨子をまとめるということ

なのです。

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