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第194回 2026年7月号

〜定期昇給〜

はじめに

今回はモデル外の場合を含めた定期昇給の考え方について取り上げます。

定期昇給の考え方2つ

モデル外の場合を含めた定期昇給の考え方は次のとおり2つに大別することができます。

定期昇給の考え方 1

モデル基本給の金額1マス分の上昇を、人事考課の評価の段階数分だけさらに細分化する

例

人事考課の評価の段階に応じて、

  S評価 10段階昇給 250,000円 266,000円
  A評価 8段階昇給 250,000円 262,800円
  B評価 5段階昇給 250,000円 258,000円

(モデル、会社の期待どおり)

  C評価 3段階昇給 250,000円 254,800円
  D評価 昇給なし 250,000円 250,000円のまま 

とする

※なお、C評価、D評価については「○○段階引き下げ」とすることも可能です

定期昇給の考え方 2

モデル基本給の金額をそれぞれ人事考課の評価の段階数分だけ増額、減額する

例

直近の人事考課の評価の段階に応じて、

  S評価 250,000円 266,000円
  A評価 250,000円 262,800円
  B評価 250,000円 258,000円

(モデル、会社の期待どおり)

  C評価 250,000円 254,800円
  D評価 250,000円 250,000円のまま昇給なし 

とする

「考え方1」は現状の基本給を起点として評価の結果に応じて基本給を昇給(あるいは減給)させるものであり、社員にとってわかりやすい考え方であるといえます。一方、一度C評価やD評価をとってしまうと、B以上の評価をとりつづけている人になかなか追いつけなくなってしまうという面があります。

「考え方2」は直近の評価の結果に応じて基本給が一律に定められているものであり、過去のC評価やD評価の結果を引きずりません。一方、C評価→C評価、D評価→D評価と悪い評価を連続しても基本給が昇給してしまうという面があります。

例

1年経過後C評価 2年経過後C評価 254,800円 262,800円

1年経過後D評価 2年経過後D評価 250,000円 258,000円

これを避けるためには上の例では例えば「D評価の基本給は250,000円のまま毎年固定してしまう」といった処置をすることとなりますが、年数が経過すればするほどB評価以上の基本給との差が拡大していくこととなりますので、現実にD評価をつけることが極めて難しくなることは避けられません。

例

従って、「考え方2」の上述した問題点を上回る明確な理由や目的がない場合には「考え方1」を優先的に考えるべきでしょう。

例えば、定年後再雇用者のように年齢の上昇に伴う個人の能力差が生じやすいような場合には、「考え方2」のほうが直近の評価のみによって基本給が決まりますので妥当と考えられる場合もあるでしょう。

自社独自の目標点実現との関係

2026年2月号で取り上げた「自社独自の目標点」を実現していくうえでは、C評価、D評価といった会社の期待に届かない評価の場合の定期昇給をどのように考えるのか?という点がカギを握ることとなります。

C評価、D評価の場合の定期昇給について、例えば

若年層が多く在籍する下位の資格・等級については一定水準の昇給を認める反面、

中堅層以上が在籍する資格・等級以降については昇給額を最小にする、あるいは
  ゼロ、マイナスにする

というように、階層によって違いを設けるという考え方もあります。

ただし、「自社独自の目標点」の実現は定期昇給だけでなく、

基本給の上限金額設定

  上位の資格、等級に昇格できない場合、どこまで基本給を昇給させるのか、
   という“天井”の設定

最低限一定の資格、等級までは原則として自動昇格を認めるしくみの導入

手当の活用

などと組み合わせて実現していくべきものです。

これらの組み合わせによる「自社独自の目標点」の実現については、後日1つのテーマを設定して取り上げることとします。

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