
2025年6月号で述べたとおり、資格制度、等級制度とは、従業員の給与を低いところから高いところへ向かって複数の「集団」に序列化したものです。

このように、資格制度、等級制度とは
従業員全体の処遇の枠組みを一覧化したもの
ということもできます。
資格制度、等級制度の枠組みを決めるにあたって最も大切なことは
自社における給与序列の考え方が端的に表現されているかどうか
ということです。
例えば、「自分の会社では役職の高さ=責任、役割の重さに基づいて給与の序列を決める」という会社があったとします。このような会社では資格、等級の高さと役職の高さが一致していなければなりません。


例えば、一般社員であっても1、2、3、4のすべての資格、等級に位置づけられることが可能な枠組み
また、研究開発型の企業のように役職が多くない、いわゆるフラットな組織の会社では、従業員個々人の技量(研究開発の実績)をもって給与の序列を決定したい、というところもあります。このような会社では資格、等級の高さと技量(研究開発の実績)の高さが一致するように資格、等級制度の枠組みを決める必要があります。

さらに、仕事の習熟にそれほど長い時間を要しない業種や職種については、仕事の安定度をもって給与の序列を決定したい、という会社もあります。このような会社では、該当の職種については仕事の安定度に応じて資格や等級が上昇していくように資格制度、等級制度の枠組みを決める必要があります。

資格制度、等級制度は従業員全体の処遇の枠組みを一覧化したものです。
この枠組みを決めるにあたって最も大切なことは、自社における給与序列の考え方が端的に表現されているかどうか、ということです。
先入観にとらわれずに資格制度、等級制度の枠組みを決めていくことが大切です。