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第47回  2014年4月号

〜人事制度を通じた状況設定を行う〜

はじめに

従来、人事制度の第一の目的は「合理的な給与管理を行うこと」ととらえられてきたものと考えます。公平な評価を通じて合理的な給与の序列管理を行い、社員の不満を防止し、やる気を高めていくにはどのような制度が望ましいのか、に多くの企業がエネルギーを注いできました。一方、現在は自社独自の商売の仕方というものをスピーディーに現場の社員に落とし込んで実行していかなければ、会社を存続させていくことは難しくなっています。従来の「合理的な給与管理を行うこと」を第一の目的とした人事制度では十分ではありません。

そこで今回は、人事制度の目的をどのようにとらえ、構築、運用を行っていくべきなのかについて考えてみたいと思います。

社員の行動の質を上げる「状況設定」を行うことを第一の目的とする

「自社独自の商売の仕方はこうだ」というものは経営者の頭の中にはあります。しかし、これを社員がわかるようにきちんと整理して示すことができている会社はまだまだ少数派です。自社独自の商売の仕方を実行するにはまずこのことが必要です。具体的には

経営者の頭の中にある「自社独自の商売の仕方はこうだ」 − 社員の行動の現状 = 「何を」「どのように」変える必要があるのか ⇒ 社員がわかるようにきちんと整理して示す ⇒ 求める「プロセス」と「結果」を明確にするということ

です。求める「プロセス」と「結果」に絞り込んで示さなければ社員の頭の中に定着することはありません。

正しいプロセスを実行し、結果に執着することで社員の行動の質が上がり、自社独自の商売の仕方が実行できるようになるのです。今求められている人事制度とはこの状況設定を行うことです。

給与への反映は求める「プロセス」と「結果」を出した社員にきちんと報いるという視点から最後に考えればよいことです。まず行動の質を上げ、その結果として高い給与を受け取ることができる。この順番を間違えてはいけません。社員にもこのことは徹底する必要があります。

まとめ

従来、人事制度の第一の目的は「合理的な給与管理を行うこと」ととらえられてきたものと考えます。一方、現在は自社独自の商売の仕方というものをスピーディーに現場の社員に落とし込んで実行していかなければ、会社を存続させていくことは難しくなっています。従来の「合理的な給与管理を行うこと」を第一の目的とした人事制度では十分ではありません。自社独自の商売の仕方を実行するには社員に求める仕事の「プロセス」と「結果」を明確にする必要があります。

正しいプロセスを実行し、結果に執着することで社員の行動の質が上がり、自社独自の商売の仕方が実行できるようになるのです。今求められている人事制度とはこの状況設定を行うことにほかなりません。

まず行動の質を上げ、その結果として高い給与を受け取ることができる。この順番を間違えてはいけません。

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