定期昇給とは基本給に代表される本俸について毎年1回など定期的に行われる昇給のことをいいます。
昇格昇給とは資格・等級などに代表される社員の待遇決定の位置づけが上昇したときに限って行われる本俸の昇給のことをいいます。
定期昇給と昇格昇給のあり方、組み合わせ方について、給与理論先行型で一律に決定してしまう、という例があります。
例えば次のとおりです。
このように定期昇給と昇格昇給のあり方、組み合わせ方を給与理論先行型で一律に決定してしまう前に、定期昇給と昇格昇給それぞれの持つ意味について考えてみる必要があると思います。
昇格昇給から考えてみたいと思います。
昇格昇給とはどのような給与理論を採るにせよ、社員の能力、実力などが1つ上の段階に上昇した場合に行われるものです。従って社員の仕事の価値も上昇します。給与は仕事の対価ですから、本来昇給とは昇格昇給に限られる、ということが基本になると考えられます。
しかし、現実には昇格昇給だけでは実現することができない「昇給させる目的」というものが存在します。
定期昇給とは、上記の例のように昇格昇給だけでは実現することができない「目的」を補うことにその本来的な意味がある、と考えられます。
このように定期昇給、昇格昇給それぞれの持つ意味を考えてみると、そのあり方、組み合わせの仕方は給与理論先行型で一律に決定してしまうべきものではないと考えられます。
具体的には、昇格昇給を昇給の基本とはしつつも、年齢層、階層、雇用形態などに応じて昇格昇給を補う目的の存否、その必要性の程度を考慮して最適な選択をするべきである、ということです。