事例解説

ホーム > 事例解説 > 第85回 2017年6月号

第85回  2017年6月号

〜人事評価の基準は周知徹底してこそ意味がある〜

はじめに

人事評価の基準とは、昇給や賞与、昇格や昇進といった社員の待遇を決定するためだけのものではありません。社員が働くうえでの指針を示し、目指す会社を実現することこそ第一の存在意義であると考えます。そのためには人事評価の基準は社員に周知徹底されていることが必要です。ところが現実はどうでしょうか?「自分自身に適用される人事評価の基準を知らない」「部下に人事評価の基準を見せたことがない」といった会社も少なくありません。

そこで今回は人事評価の基準を周知徹底することの重要性について考えてみたいと思います。

まず「見ること」「見せること」

<はじめに>で述べたとおり、人事評価の基準とは社員が働くうえでの指針を示すことが第一の存在意義であると考えます。これは自社における人材育成の基準であるということもできます。

このとき、

・自分自身に適用される人事評価の基準をよく理解したうえで仕事に取り組む ・自分自身に適用される人事評価の基準を全く知らないで仕事の取り組む

のと、

のと、

どちらが効果が得やすいですか?

また、

・部下に努力の方向性、目標をはっきり示したうえで指導する ・部下に努力の方向性、目標をはっきり示さないで指導する

のと、

のと、

どちらが効果的でしょうか?

どちらも前者であることは明確です。

人事評価の基準はまず「見ること」「見せること」。

これがなければ人事評価に投入される莫大なエネルギーのほとんどが無益なものとなってしまいます。

人事部門の役割

自分で自分を評価する自己評価制度が導入されている会社では上記のような問題が生じることはありません。しかし、自己評価制度がない会社では、人事評価の基準を周知徹底するためのしくみを考えておく必要があります。単に印刷して公開したというだけではなかなか周知徹底しません。

考課者研修や管理者教育の場でまず「見ること」「見せること」を耳にタコができるまで徹底すること。

このことが絶定条件であると考えます。

テーマ別索引
ページの先頭に戻る

企業文化研究所 〒162-0822 東京都新宿区下宮比町2-28 飯田橋ハイタウン206号室 TEL.03-6265-0805