人事制度は自社の経営理念、経営方針を実現し、当面する人事上の課題解決に資するものでなければなりません。
従って、人事制度の構築や改定は必然的に開発を伴うものであり、何もないところから仮説を立て、仕様を詰めていくプロセスを必要とするものです。
成り行きまかせで着手してもスケジュールの遅延を繰り返して会社全体の事業や業務の計画に悪い影響を与えてしまいます。
そこで今回はこの仕様を詰めていくプロセスについて取り上げてみたいと思います。
人事制度の仮説構築とは、
どのような人事制度とするのか、制度全体の骨格を描くことです。基本的な開発方針を定めることと言いかえることもできます。
この仮説を立てることによってはじめて
が明らかになります。
コンサルタントが受託する場合にはコンサルティング実施の提案書を提出する段階でこの仮説構築を行うのが通常です。
作業明細や既存のしくみからの変更点がわからなければ所要期間や費用を見積もることができないからです。
仮説への具体的な肉付けをしていくステップです。
人事考課(評価)の具体的な内容や賃金の構成、モデル賃金などを定めます。
これによって人事制度の全体像がより具体化し、明確になります。
コンサルタントが受託している場合には顧客から基本設計の内容について修正要望の有無を聞き、ご要望内容に応じた修正を行います。
具体的な人事考課表や賃金表などの作成を行うステップです。
コンサルタントが受託している場合には基本設計と同様、顧客から修正要望の有無を聞きます。
ただし、仮説構築→基本設計と仕様を詰めるプロセスを経ていますので、修正要望がある場合であっても通常は微調整のみとなります。
人事制度の運用マニュアル、就業規則、賃金規程などへのとりまとめを行います。
これで新人事制度の会社案は完成となります。
以後は社員説明会や人事・給与システムの改修などの準備を進め、当初予定した期日どおりの新人事制度の導入を目指していきます。