目標管理制度
定義とねらい
・期初に上司と部下本人が話し合って期末までに達成すべき目標を約束して、その目標の達成状況等を考課(評価)にあたっての重要な判断根拠・材料とする制度。
・ねらいとしては、会社方針と個々人の職務目標とのベクトル合わせができる、目標の設定→実行→振り返り→翌期の目標設定、というプロセスを通じて社員自身の成長を図ることができる、一人ひとりの果たすべき役割・仕事が明確になり考課(評価)が行いやすくなる、などといったことを上げることができる。
運用上のポイント
・上司、すなわち各現場の管理者に相当高いレベルのマネージメント能力がない限り、ほぼ白紙に近い用紙を渡して「部下の目標を設定するように」と言っても効果のある運用を行うことは困難である。
・目標管理制度を有効に機能させるためには、職層、職種、部門といった区分ごとに、どのような内容の目標を立てるべきなのか、少なくともその「柱」をあらかじめ設定、明示しておくことが大切である。
・また、ルーチンワークが中心の職場や経験が浅い年代層に対しては目標管理制度がそもそも有効に機能しないケースもあり、一律全社に導入する、といった判断は避けた方が賢明な場合も多い。
モデル賃金
定義
・新卒採用者が自社の人事考課(評価)制度で「標準」の評価を取り続けた場合に支給される賃金。通常は時間外勤務手当や通勤手当は除いて考えることが多い。
・定義は上記のとおりであるが、経験年数が増えるにつれて「標準」の評価を取り続けることが困難になることや、「標準」の評価を取り続けても全員がモデルどおりに昇格・昇進できないなどの事情から、各社とも年齢が上昇すればするほどモデル賃金と実態賃金との乖離(モデルに届かない)傾向が強くなる。実態としては「順調に出世できた場合の賃金」と考えた方が現実に合っている。
意義
・中途採用者を含め若年層を採用して自社内で育成していく、という多くの日本企業においてはモデル賃金を設定する意義は高い。社員が生活設計・将来像を描きやすくなることや、経営側からみても、世間一般のモデル賃金水準と自社のモデル賃金水準を比較することで自社の賃金水準を検討しやすくなるなどのメリットがある。
・公開されている世間一般のモデル賃金水準としては、日本経団連モデル、東京都産業労働局モデルなどがある。その他にも各都道府県や商工会議所等で調査を行っているケースもある。
・これら世間一般のモデル賃金水準のうちどのデータを比較対象とすべきなのかは、自社の採用競争上想定される母集団が最も多く含まれているものはどれか、という観点から選ぶとよい。