パート・アルバイト
本来の定義と実態
・本来は始業時刻から終業時刻の時間帯の一部について補助的・臨時的業務に従事する労働者のことであるが、法律上明文の定義は存在しない。いわゆるパートタイム労働法では「短時間労働者」についての定義はあるが、「パート・アルバイト」とは何か、について定めた法律は存在せず、世間一般の慣行から生まれた用語である。
・従って、現在では「パート・アルバイト」と呼ばれる労働者であっても、正社員と同じ労働時間を働く者や、従事する業務も補助的・臨時的なものにとどまらない者など、実態はきわめて多様化している。
処遇制度整備の必要性
・上記パートタイム労働法では、正社員と同視すべき短時間労働者について正社員との均等待遇を求めるなど、「パート・アルバイト」の処遇のあり方についても旧来のように個別の雇用契約だけでは十分な雇用管理が行えないケースも多くなっている。
・また法的な要求だけでなく、「パート・アルバイト」と呼ばれる人たちが自社の基幹業務に従事しているようなケース(小売業、製造業など)においては、処遇制度=人事制度を整備することでモチベーションを上げていく、という対処が必要である。
雇用形態の明確化について
・いわゆるバブル崩壊後の景気低迷への対処、65歳までの雇用確保措置の義務化等の影響もあり、一部企業においては正社員、「パート・アルバイト」以外にも多数の雇用形態が存在するケースもみられている。
・それぞれの雇用形態を設定する意義・目的が明確なものである場合には問題ないが、それぞれの意義・目的が明確でなく、各雇用形態の違いを説明できない、という場合には雇用形態の再編・整理を行うことが必要であるといえる。
フィードバック
定義
・人事考課(評価)の結果を本人に説明することを通じて、考課(評価)の結果に対する理解と納得を得、さらにレベルアップに活用していくための機会。
必要性
・フィードバックを行わなければ人事考課(評価)の結果把握された本人のストロングポイント・ウイークポイントを本人自身が知ることができなくなる。
・日常業務を通じた教育・指導は部下の育成を図るうえできわめて重要であるが、考課(評価)の結果というものが本人に与える影響は格段に大きい。面談、指導を行う上司(管理者)への研修実施などの前提はあるが、フィードバックが社員教育の中でも最も有効かつ重要な機会であることは理解しておくことが大切である。
ポイント方式退職金制度
定義
・勤続年数や資格・等級、職位などをポイント(点数)に置き換え、入社から退職までの履歴に応じてポイントを累積加算し、この累積点にポイント単価を乗じて退職金額を算定するしくみ。
メリット
・最大のメリットは月例給与と退職金の連動が遮断されるため、月例給与と退職金の水準をそれぞれ別個に管理することができる、という点にある。
・特に新人事制度を構築するという場合には、月例給与のしくみも大胆に変更しなければならないことも多いが、ポイント方式の退職金制度を導入することにより、退職金への影響を心配する必要がなくなる。
・その他にも、資格・等級、職位にウエイトを置いたポイント付与とすることにより、中途採用者が退職金面で被るマイナス(勤続年数が短いために退職金額が少なくなる)を抑える効果があるなどのメリットも得られる。
設計上の留意点
・「何に基づいてポイントを付与するのか」が基本ポリシーとなる。月例給与と退職金との連動は遮断したいが勤続年数を重視した退職金制度としたい、という場合には勤続年数に基づいて決まる勤続点のウエイトを高く設定することとなる。反対に退職金にも実力主義の色彩を強く取り入れたい、という場合には、資格・等級、職位といった考課(評価)の結果に基づいて決まるものにウエイトを置いたポイント付与のルールとするとよい。
・なお、退職金を原資とした企業年金制度を導入する(あるいは導入している)場合には、企業年金制度移行にあたっての審査基準に適合するポイント設計を行う必要があり、必要に応じて専門家に相談することが適切である。